overviewあらすじ・解説

今作は2011年に任天堂ゲーム機「Wii」のソフトとして発売されたソフトが、画質が綺麗になり、処理速度もアップして「ニンテンドースイッチ」向けに発売された、リマスター版。

ゼルダの伝説シリーズにおいて、Wiiで発売された作品としては『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』(2006)に続く2作目である。ただし、『トワイライトプリンセス』は本来ニンテンドーゲームキューブ用ソフトとして開発された作品であったため、本作は純粋にWii向けに開発された初のゼルダ作品となる。グラフィックは印象派の絵画を彷彿とさせるような淡いタッチの色使いが特徴。人物のキャラクターデザインは『トワイライトプリンセス』に近いものであるが、敵キャラクターや亜人族などのデザインは『風のタクト』や『神々のトライフォース』での方向性に近い独特のものである。また、背景と人物についても絵のタッチが異なる。本作の世界は、スカイロフトがある雲の上の世界「大空」と、フィローネ・オルディン・ラネールの3つの地域がある雲の下の世界「大地」に大別される。スカイロフトの人々の間では元来、雲の下には何もないと考えられていたが、ゼルダが雲の下へ落ちた事件以降、大地の存在が徐々に明らかになっていく。本作はシリーズ中の時系列で最古の時代にあたる(それまで最古の時代とされてきたのは『ふしぎのぼうし』)。作中では、これまで詳しく語られなかった退魔の剣マスターソードと万能の力トライフォースの誕生の経緯や、ゼルダがなぜシリーズ中で「伝説」として扱われるようになったのかが描かれる

空に浮かぶ浮島スカイロフト。そこでは人々がロフトバードと言われる巨大な鳥にまたがり、自由に空を飛んで平和に暮らしていた。このスカイロフトの騎士学校で騎士を目指す青年リンクは、上級学年への昇進試験を兼ねた「鳥乗りの儀」に参加する。その儀式は優勝すれば女神様役である幼馴染のゼルダから大切なプレゼントが貰えるうえ、憧れの騎士になるための過程としても大事な日であった。学友のバドとのトラブルもあったが儀式も無事に終了し、リンクはゼルダと共にロフトバードで試験後の気分転換に空の散歩を楽しむことにする。ところが、飛行中に黒い竜巻が突如2人を襲い、激しい暴風にリンクはロフトバードと共に飛ばされ、ゼルダは竜巻に飲まれ雲海の下へと消えていった。竜巻に飛ばされ薄れゆく意識の中で、リンクは自分に呼びかける謎の声を聞く。しばらくしてリンクが目覚めると、そこはスカイロフトの騎士学校にある自室であった。ゼルダの父にして騎士学校の校長ゲポラは彼から事情を聞くと、古の伝承とゼルダが残した言葉を照らし合わせ、まだ彼女が生きているという希望を見出す。 その夜、リンクは校内に現れた謎の人物に導かれるように、スカイロフトにある女神像の元へ足を踏み入れる。像の中に入ると、そこには石の台座に突き立てられた女神の剣があった。リンクを導いた謎の人物は、この剣の精霊ファイであった。ファイはリンクに女神から授かった大いなる使命が、ゼルダを見つけ出す道に繋がると告げ、リンクに旅立つ事を促す。ゼルダ救出の望みと古の伝承がリンクの事だと確信したゲポラは、旅支度にと今年の騎士見習いの制服である「緑色の服」と「三角帽子」を贈る。女神からの贈り物「女神の剣」を手に、未だスカイロフトの住人が足を踏み入れた事のない雲の下の大地へと、リンクの冒険が始まる。

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