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【4話】だいじょうぶます こわくない

5.0 23
  • 総合: 5.0点
  • わかりやすさ: 5.0点
  • 映像: 4.0点
  • 脚本: 4.0点
  • 声優: 4.0点
  • 音楽: 3.5点
  • 演出: 4.5点

良いと感じた点・楽しめた点

アーニャの可愛さや喜劇的に描かれるフォージャー家の日常に癒される「SPY×FAMILY」。それゆえに多くの人の心をとらえ、アニメ化によって一大ブームとなったのはもちろんなのだが、キャラクターたちの言葉に注目すると本作ではシビアに戦争が描写されている。巧みな点は、ロイドとヨルはお互いの素性や本当の目的を隠して仮面夫婦を演じているのですが、その間にいる娘役であるアーニャは、他人の心を読めるエスパーですべてを見通しているという設定です。周囲は誰もアーニャがそんな超能力を持っていることを知りません。そのため、アーニャ(と読者)だけが、ロイドが戦争を未然に防ぐための使命を担っていることと、ヨルが世間から怪しまれずに殺し屋の仕事を続けるために、形式上でも家族が必要だったことを知っているのです。その情報の非対称性が、キャラ同士の現実認識のズレを生み、物語をドライブさせます。

悪いと感じた点・疑問に感じたことなど

「スパイファミリー」がなぜつまらないと感じられるのか、アニメは2期まで進み、そこで否定的な意見が出ることもあり、その大きな理由の一つは、新鮮さの欠如にあると思われ、初期のサプライズや驚きが薄れ、視聴者が慣れてしまったことで、同じようなパターンの繰り返しに感じられる。また、初期に比べて、キャラクターたちの新しい一面が見られなくなったり、成長が感じられない、ホームコメディな作風ということが原因かもしれません。

総評・全体的な感想

マンガ誌アプリ「少年ジャンプ+」で連載中の遠藤達哉先生による漫画『SPY×FAMILY』。敏腕スパイの父・ロイドと殺し屋の母・ヨル、超能力者の娘・アーニャが互いに正体を隠しながら仮初の家族として暮らす日々を描いたホームコメディ作品。

元々は他人だった彼らが生活を共にするなかで、少しずつ家族になっていく姿に胸を打たれる一方で、素性を明かしていないからこそ起こるハプニングやドタバタ劇がユニークで、その人気から2022年にはTVアニメ化。子供から大人まで幅広い世代に人気を博し、様々な企業と多数のタイアップも話題に。

2025年10月からはTVアニメSeason3の放送も決定している。

アーニャを中心にコミカルで平和な日常が描かれる一方で、東国と西国の関係はいつ戦争が起きてもおかしくないほど緊張したものであるというシリアスな一面も持つ本作。温かな人間関係と残酷な戦争を描く作品の本質が垣間見えます。

「SPY×FAMILY」の物語世界は作者の天然による産物ではなく、明確に意図的な作為を持っていて、「SPY×FAMILY」ではそれまでの作風はなりを潜め、コメディ要素によってむしろ観やすくさえある物語が生まれたのです。世界各国で現実の戦争を目の当たりにし続けている現代だからこそ、その軽妙さが大きなプラスに働いてここまで広く支持されていると考えます。

名セリフ

  • だいじょうぶます こわくない

    名門イーデン校の面接試験に赴いたフォージャー一家。ところが、校内の飼育舎から動物たちが逃げ出し、受験者たちはパニック状態に。しかし、群れのボスである大牛をヨルが一瞬で鎮め、場を治めます。わけがわからないまま倒された牛が怖がっていることを読み取ったアーニャは牛を撫でながらこちらの言葉をかけます。落ち着きを取り戻した牛は他の動物たちを連れて飼育舎に戻っていきました。アーニャの優しさに心が洗われる。

    アーニャ・フォージャーSPY×FAMILY

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