こちらのレビューは、一部ネタバレを含む可能性がございます。ご注意のうえ閲覧ください。
2025.08.08ELDEN RINGを400時間程プレイした感想。
良いと感じた点・楽しめた点
「死にゲー」というゲーム市場で新たなるジャンルを確立したフロムソフトウェアの最新作なので、
もちろん楽しかった。よく言われているように、主人公キャラはよく死んでしまい、そのたびに
「もうこんなゲームやらないにしよう!」となるのだが、その割には
「もうちょっとで上手く入ったな・・・」と考えてしまい、結局はしばらくするとまたゲームの
コントローラーを握って始めてしまう羽目になる。麻薬性というか中毒性のような部分が上手く
ゲームバランスとかみ合っていて、爆発的に売り上げを伸ばしている。その点で他社のいわゆる
「死にゲー・インスパイア作品」ともいえるような似た作りのゲームシステムの作品が作られて
いるにもかかわらず、本家本元のフロム作品以外の「死にゲー」に対して常にアドバンテージを
持ち続けている理由ともなっていると思う。実際に他社の「死にゲー」と言われる類似作品を
プレイしてみても、全体的なゲームバランス、つまり「アイテム収集・敵キャラクター・
バトルシステム・PVEシステム・自キャラの育成要素」といった各所に対する絶妙なパラメータの
振り分けをしてゲームバランスをうまくとっている点でほかの類似作品を寄せつけない。
そういった点から、「よくここまでできるな。」と感心するほどの
出来栄えとなっており、ゲームのネットワーク経由でのアップデートのたびに何ら問題なく
プレイできるように仕上げている点はすでに脅威的ともいえるゲーム制作スキルを持っている
と思う。
悪いと感じた点・疑問に感じたことなど
新たなるジャンルを築き上げた、という点は評価できる。しかしその反面、よく売れた結果として
どうも「死にゲー」ではないゲームが退屈になってしまう、プレイしても死にゲー以外は面白くない、
といった弊害を生んでいる。それだけ面白く、うまくできた作品であることの裏返しではあるが、
ゲーム業界全般で見ると、やや売れすぎているし「流行りすぎた」感が否めない。また、
同社のゲームタイトルはダークファンタジー物が多く、結局はゲームというものを子供層からとおざけた。
また、ゲームは難しいほうがいい、というニッチなユーザー層にはとても響く一方、ライトなゲーマー
層に対してはあまり良い印象を持たれないのではないだろうか?っという疑問も生ずる。
あとこれはフロム作品全体に言えることだが、ストーリー性が薄い。
総評・全体的な感想
エルデンリングの功罪。
「死にゲー」というジャンルを完成させた点は評価できる。
また、派生作品として「~ナイトレイン」があるが、これは要するにプレイするユーザーの精神力を向上させるか、もしくは酷使するとでもいう感覚である、
エルデンリング=ナイトレイン~に限らず、あらかたのフロムソフトウェアの死にゲー作品は過度にプレイするユーザーの精神を疲弊させる傾向がある。
つまり、悪いこととは言えないものの、死にゲーがジャンルとして不動の位置を獲得したとともに、ゲームをプレイする人たちの精神力は一ランク引き上げられた。
これが「功」であるか、それとも「罪」であるか?は現時点ではまだはっきりしていない、だが着実に新たに世に出るゲームソフトはかなりの確率で「死にゲー」の
要素を有するものとなってきている。
もう一つの興味深い事実として、いわゆるデモンズソウルのような死にゲーの最初の登場時には同時に多発するに多様な競合作品がなかったという点で、
これはほかの革新というようなありとあらゆる発明品・発案事案に見られる「同時多発性」がなかったという点である。
また、フロム信者というような新たな集団を形成しており、これが組織としてこの時代にどういう立ち位置を形成するか、その点も見てゆくと面白そうである。
結論として、「ゲーム業界を全般的により面白いステージへと押し上げた。」ということが言えると思う。