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2025.01.15ドン・キホーテを読んで。美しくも儚い精神描写に注目。
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総評・全体的な感想
ドン・キホーテの物語はアロンソ・キハーノという郷士が騎士道物語を読み過ぎた結果現実と物語の境界が曖昧になり自らを遍歴の騎士と名乗り村にいたサンチョ・パンサ(パンサは太鼓腹の意)を連れ正義を示す為に旅に出るというお話です。
ドン・キホーテを読んでいく上で注目してほしい点は美しくも儚い精神描写です。それを一番表しているのはエピソードと言えば風車のお話でしょう。
ドン・キホーテらが旅をしていると目の前に風車の群れが立ちはだかります。これに対しドン・キホーテは「あれは巨人の群れじゃ。」と言います。一方従者のサンチョはというと「どこにそんなものが有るって言うんですか?オイラには風車しか見えませんよ。」と忠告します。ところがドン・キホーテはその言葉を無視して風車に突撃してしまいます。
一見現実の見えないドン・キホーテと現実を見るサンチョのやり取りに見えますが場面によってはドン・キホーテが現実を見て、サンチョがそれに追いつけないといった描写も見受けられます。