こちらのレビューは、一部ネタバレを含む可能性がございます。ご注意のうえ閲覧ください。
2025.07.30【小説1巻 第1話】賢狼ホロと一緒に楽しくお金の勉強?
良いと感じた点・楽しめた点
賢狼ホロとロレンスが行商の過程でさまざまな行く先での登場人物達と交わす権謀術数や駆け引きに引き込まれる。
また、キャラクターの誕生は2006年ではあるものの、経済書が着想の下地である事を除いても「賢狼ホロ」という魅力あるヒロインは未だ人気の風化が見られない。
悪いと感じた点・疑問に感じたことなど
特に無いが、強いて言えば刊行物が多岐に渡るので若干混乱する可能性がある(本編小説、サイドストーリー小説、漫画版、アニメ、愛蔵版など)
総評・全体的な感想
小説の連載開始は2006年からとやや古いものの、その着想は「金と香辛料ー中世における実業家の誕生(Gold and Spices: Rise of Commerce in the Middle Ages)ジャン・ファヴィエ1998年著」というれっきとしたフランスの経済書から得ており、中世ヨーロッパの経済文化、商業、貿易業の背景をほぼ忠実に再現した中に唯一現実と離れた「知性を持つ獣の存在」を混ぜた物語。
作者の想定する時代背景も中世ドイツに近い設定となっている。
作中に出てくる主人公ロレンスとヒロインである狼の化身ホロと共に行商の旅を続ける中でさまざまな謀略や駆け引き、策を主人公側も登場人物側も巡らせて商人としていかに大きな利益を得るかという知略に富んだストーリーが繰り広げられる。
他の異世界転生物や学園物などのライトノベルとは一風違って経済書を下地にしているのでストーリーの流行り廃れや風化が遅く、今現在でも根強い人気とアニメ化、サイドストーリ連載などが続いている。