こちらのレビューは、一部ネタバレを含む可能性がございます。ご注意のうえ閲覧ください。
2022.12.01哲学者のネタ帳なんだ! と笑顔になった一冊
良いと感じた点・楽しめた点
変な口コミタイトルで申し訳ないですが、いまだにそういう印象があります。有名な「考える葦」について書かれているのも、この本です。
「パンセ」を読む前までは「パスカルって誰? 哲学者なんだむずかしそう!」ぐらいでぜんぜん前知識を収集していなかったので、小難しい哲学本だと思い込んでいたのです。
ところが、読んでみるといわゆる「芸人のネタ帳」のように、いろんな考えやアイデアが短く書きつけてあるテキストの寄せ集めが「パンセ」だったんです。
悪いと感じた点・疑問に感じたことなど
難点なんてないと言いたいのですが、物理的な難点があって、内容としては「持ち歩き」と「拾い読み」に最適な本なのに、「ぶ厚い」んです。重い……。
私が持っているのは文庫本なのですが、2.7cmくらいあって、ほんとにぶ厚いです。
この厚みだとそのまま持ち歩いていると自重でだんだん本が剥がれたり裂けたりして崩壊してくるので、カバーをかけて保護したいところですが、市販の文庫本カバーって、だいたい最大でも1.5cm厚までを想定した設計になっていて、ヘビーユーザー用にちょっと余裕のあるサイズの物を売っているお店もあるにはあるのですが、だいたい2cmまでだし、うっかり間違えて手帳用カバーを買ってしまうと手帳は薄いので縦横は合っていても厚み的には1cm以内しか入らなかったりして、すごく探すのがたいへんなんです。
なので「パンセ」は、電子書籍のような、かさばらない形態のものを入手されることをつよくおすすめします。
総評・全体的な感想
それぞれが短いので、好きなところからパッと開いて読めます。また、いろいろな書き出しのノートが読めるので、自分で手帳に考えたことの断片をメモしたりするときにも、書き方を真似しやすいです。ああ、こんな風にバラバラに書いてもいいんだ! という発見になりました。
キリスト教についての話題がどうしても多いですが、生きるうえでの「あるある」的な内容など、とても庶民的で身近なテーマのお話もたくさん収録されているので、気軽に読めて哲学が身近に感じられる本です。おすすめです。