こちらのレビューは、一部ネタバレを含む可能性がございます。ご注意のうえ閲覧ください。
2025.07.30【第一部】珍しく実写ではないゴジラ作品
良いと感じた点・楽しめた点
今までほとんど実写で描かれていたゴジラを、CGアニメにして再解釈した作品です。脚本が虚淵玄さんだけあって全体的に暗く重い雰囲気で話が進んでいきます。
従来の怪獣映画の作りとはかなり異なっていて、SFアニメとして重きを置いて作られています。
この作品以前のゴジラでも異星人が出てくることは多々ありました。今までのゴジラと違うのは異星人間の接触の仕方が侵略的ではなく、地球人に協力的である点が本作のユニークなポイントだと思います。人種間の文化の違いを、他の星の人というオーバーなやり方ではありますが面白く仕上げていると感じました。
声優さんも軒並み豪華なのでそちらが好きな方にはとても満足のいく配役だったと思います。
悪いと感じた点・疑問に感じたことなど
タイトルも作品の主題もゴジラですが、キャラクターとしてのゴジラはどうにも放置気味になっているのが否めませんでした。
人間ドラマにかなり話の舵を切っているので、怪獣映画として観ると物足りなさを感じるのが正直なところです。
CGのクオリティも年代を考慮してもちょっとチープに感じてしまう内容でした。
総評・全体的な感想
人間ドラマとSFの作風にかなり力を入れていて、確かにそこが魅力的でゴジラ作品としては固有のものに仕上がってると思います。
ただ、そこに力を入れるあまりキャラクターとしての怪獣は映像内にはほとんどいないと感じてしまうのもまた確かでした。
作風づくりにどうやら制約がかなりあったようで、怪獣プロレスをしないでほしいみたいな指示で制作されていたようです。
怪獣のキャラ作りと画作りは物足りなさも感じますが、話の作り自体は結構好みだったので人を選ぶかもしれないけどおすすめできないわけではありません。
案外ゴジラにそこまで興味のない人が見たほうが見やすいかもしれないのでゴジラシリーズを見るきっかけ作りにいかがでしょうか。
名セリフ
走れ、ハルオ。その魂の赴くままに
主人公の拘束を解くシーン