デビルマン 講談社文庫
5.00 1 14 0
クリエイター
販売・出版
キャラクター
キャスト
その他
reviewレビュー・口コミ

こちらのレビューは、一部ネタバレを含む可能性がございます。ご注意のうえ閲覧ください。

外道!きさまらこそ悪魔だ!おれは体は悪魔になった…だが人間の心をうしなわなかった!きさまらは人間の体をもちながら悪魔だ!悪魔になったんだぞ!これが!これが!おれが身をすててまもろうとした人間の正体か!

レビザル
5.0 18
  • 総合: 5.0点
  • わかりやすさ: 5.0点
  • 画力: 5.0点
  • ストーリー: 5.0点
  • キャラクター: 5.0点
  • 世界観: 5.0点
  • 演出: 5.0点

良いと感じた点・楽しめた点

悪いと感じた点・疑問に感じたことなど

総評・全体的な感想

永井豪(ながい・ごう)さんの「デビルマン」は、1972年〜1973年「週刊少年マガジン」に連載されていました。同時期に「デビルマン」はアニメ化されましたが、辻真先(つじ・まさき)さんのシナリオで永井豪の原作とは異なる、オリジナルストーリーの「デビルマン」になりました。この事を永井豪さんは「漫画のアニメ化やアニメの漫画化ではなく、同一の設定を使用して描かれたふたつの作品」と説明しています。ちなみに漫画版「デビルマン」は(1917年の時点では)全世界累計発行部数5000万部を、突破しています。テレビアニメ版「デビルマン」は、漫画版「デビルマン」より幅広い年齢層の視聴者を対象にした、一話完結のヒーロー作品です。

永井豪さんは自身でも語っているように、ストーリーの結末を決めてから漫画を描くのではなく、発想がひらめくままに漫画を描きすすめるタイプの作家で、ゆえに描いた後で自分でも驚くほど衝撃的な場面を、描いてしまうそうです。「デビルマン」もそうした手法で描かれた作品で「デビルマン」の牧村一家殺害のシーン(「デビルマン」の作中でもっとも残酷なシーン)も、描いた後であまりの残酷さに驚いたらしい。

「デビルマン」の前年1971年「週刊少年マガジン」に連載された、短編読み切りホラー漫画「ススムちゃん大ショック」も「もし日本中で親が子供を、殺す事件が同時に起きたら怖い」という発想から描きはじめ、主人公の子供がマンホールの下の水道管を走っているイメージが浮かんだ事から、ストーリーが転がり出して「主人公はいい子だから仲間が止めても、親を信じて家に帰るだろう」と帰宅させたら、自分でも驚くような衝撃的な結末になってしまったそうです。この「ススムちゃん大ショック」の主人公ススムちゃんは「デビルマン」の作中で牧村美樹の弟タレちゃんの友達として描かれ「ススムちゃん大ショック」と同じ衝撃的な結末を迎えます。

それはともかく「デビルマン」後半に描かれた、牧村一家殺害のシーンのグロさとヤバさと残酷さはトラウマレベル!アニメ監督の庵野秀明(あんの・ひであき)さんや、ミュージシャンの大槻ケンヂ(おおつき・けんぢ)さんに影響をあたえた名作ですが、グロいのや怖いのが苦手!そんな人は閲覧要注意です。

「デビルマン」のあらすじは、主人公不動明が親友の飛鳥了の導きで、デーモン族の戦士アモンと悪魔合体して、アモンの意識と体を乗っ取り、人間の心(理性や善良さ)を持ちながら、悪魔の体と能力を持つデビルマンになります。デビルマンになった不動明は、人間を守るためデーモン族と戦います。そんな不動明=デビルマンへの対抗措置として、デーモン族の頂点に君臨するサタン大魔神は、人間を抹殺するため壮大な罠を仕掛けます。デーモン族の捨て身の攻撃・悪魔と人間の無差別合体の効果で、デーモン族の恐怖におびえ疑心暗鬼に陥った人間は、政府公認の組織・悪魔特別捜査隊(悪魔特捜隊)を作り、人間になりすましたデーモンを抹殺するという口実で、デーモンではないか?と疑惑をかけられた人間を、逮捕して拷問して殺害するという、悪魔狩り=人間狩りを実行するようになります。

悪魔と人間の無謀な無差別合体は、デーモン族から大きな犠牲を出したが、人間にデーモン族の恐怖をすりこんで、人間社会の秩序を壊し混乱させて崩壊に導く、人類滅亡への起爆剤になりました。人間からみればデーモン族も、人間の意識を持ったデビルマンも、どちらも同じ怪物にみえる。自分たちの中にデーモンが混じっている恐怖に、耐えられなくなった人間は、悪魔特別捜査隊の悪魔狩りに積極的に協力しました。

そんなある日、デビルマンである事を見破られた不動明は、居候先の牧村家を出て決別しますが、デーモン(本当はデーモンではなくデビルマンなのに)の味方をする人間もデーモンだ、という疑惑をかけられ、牧村の夫婦は悪魔特別捜査隊に、強制的に連行されてしまいます。それを知った不動明は、牧村夫妻の救出に向うのですが、不動明が駆けつけた時、すでに牧村妻は悪魔特別捜査隊による、拷問のすえ絶命していました。牧村夫も拷問され息もたえだえの状態で、駆けつけた不動明に、娘の美樹と息子のタレちゃんを頼む、と遺言を残して絶命しました。

デビルマンに変身した不動明を見た、悪魔特別捜査隊の隊員たちは、不動明の激しい怒りに恐れをなし、悪魔は殺していない、殺したのは人間だけだ。好きで殺したのではない、上からの命令だ。と言い訳をしますが、不動明は有名なセリフ「外道!きさまらこそ悪魔だ!おれは体は悪魔になった…だが人間の心をうしなわなかった!きさまらは人間の体をもちながら悪魔だ!悪魔になったんだぞ!これが!これが!おれが身をすててまでまもろうとした人間の正体か!」をはき、悪魔特別捜査隊の隊員を皆殺しにします。

その後不動明は、牧村夫妻の娘で不動明の恋人でもある美樹と、弟のタレちゃんを救出するため、牧村家に向かうのですが、不動明が牧村家に駆けつけた時は、すべてが終わってしまった後でした。牧村一家は全員デーモンだ!と確信した群衆は、牧村家を取り囲み攻めこんで、美樹とタレちゃんを殺害してしまったのです。美樹とタレちゃんを殺害した群衆は、デーモンを倒した歓喜に酔いしれ、串刺しにした美樹の生首を(まるで貴重な戦利品を見せびらかすように)高くあげて、狂ったような叫び声と笑い声を張りあげていました。

美樹とタレちゃんが殺害されて、牧村一家全員の死亡を知った不動明は、人間に絶望して見殺しにします。大魔神サタンが仕組んだ、悪魔と人間の無差別合体は、デーモンでなければ人間でもない存在、人間の意識を持ちながらデーモンの体と能力を持つ、デビルマンを生み出しました。不動明は世界中からデビルマンを集め、来るべきデーモン族との戦いにそなえました。

それから20年の年月が流れて、人間がすべて滅亡した後の地球で、サタン率いるデーモン族と、不動明率いるデビルマン軍団との、存亡をかけた最終決戦アーマゲドンが始まった。地球上に最後に生き残るのは、デーモンかデビルマンか?

(ちなみに「デビルマン」に登場する女のデーモンで、デビルマンの読者から、高い人気を集めているシレーヌは、アニメ版「デビルマン」のシナリオライター辻真先さんの、発想から生まれたそうです。女のデーモンを出そうという辻真先さんの発想に、永井豪さんはデーモンにも女がいるのか、と思ったそうです。シレーヌの名前とイメージは辻真先さんが作り、キャラクターデザインは永井豪さんが作ったそうですが、シレーヌが気に入った永井豪さんは、自分の漫画「デビルマン」に、シレーヌを逆輸入したそうです)

このレビューが参考になったら、クリックして応援しましょう!

reviewレビュー・口コミ

レビューがみつかりません。

review新着レビュー・口コミ

READ MORE