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2025.01.27昔の純文学の名作が、美しいイラストと共によみがえる。キラキラ素敵な大人の絵本✨
良いと感じた点・楽しめた点
悪いと感じた点・疑問に感じたことなど
総評・全体的な感想
この本は図書館で、見つけました。
「乙女の本棚」と名付けられた、シリーズ本です。
立東舎から出版されて、次々と続編を出しています。
「乙女の本棚」シリーズは、太宰治、芥川龍之介、泉鏡花、小川未明、坂口安吾、夢野久作、谷崎潤一郎、江戸川乱歩といった、純文学の作家の名作に、げみ、しきみ、ねこ助、しらこ、今井キラといった、現代のイラストレーターが描く、美しいイラストが華をそえます🌸
国語の勉強みたい、小難しくて退屈だ、などの理由で、敬遠されてしまいがちな純文学ですが、げみ、しきみ、ねこ助らの美しいイラストが、純文学へのハードルを、下げてくれるような気がします。純文学の名作を、美しいイラストと共に、さらりと読んで楽しめる。もっと気軽に、身近に純文学を。そんな「乙女の本棚」シリーズの本は、まるでキラキラ素敵な大人の絵本のよう✨
ジャンルも小説、詩集、童話など、多岐にわたっていて、今回は中原中也の「詩集『山羊の歌』より」を、紹介します。中原中也の詩に、まくらくらまのイラストをそえて、出版された本です。
国語の教科書にも採用された、中原中也の代表作「サーカス」も、収録されています。サーカス小屋の、高い梁から吊るされたブランコが、ゆらゆらと揺らいでいる様を「ゆあーん、ゆよーん、ゆやゆよん」という擬音で表現するフレーズが、印象に残る作品ですが、その「サーカス」にそえられた、まくらくらまのイラストは、サーカス小屋の薄暗い天井から吊るされた、ブランコにぶら下がってポーズする、団員の姿が描かれています。フリルをあしらった綺麗な衣装をまとって、口元には曖昧な笑みを浮かべ、アンニュイな雰囲気を漂わせています。まくらくらまのイラストは、繊細で幻想的で儚く、時にはグロテスクでもある、独自の世界を表現しています。
「乙女の本棚」シリーズの、イラストレーターの作品は、デジタルで描かれた作品も、アナログで描かれた作品も、それぞれ魅力的です。
純文学の名作を、魅力的なイラストといっしょに、ラノベ感覚で楽しめる。
そんな「乙女の本棚」シリーズの本を、ぜひ一度読んでみてください。