こちらのレビューは、一部ネタバレを含む可能性がございます。ご注意のうえ閲覧ください。
2025.01.21コテコテの大阪弁をしゃべる、赤鬼のサラリーマン・オニガワラさんの、じごくのまったりライフ(*´ω`)
良いと感じた点・楽しめた点
悪いと感じた点・疑問に感じたことなど
総評・全体的な感想
この不思議な絵本は、図書館で偶然見つけました。
富安陽子(とみやす・ようこ)さんの文章に、大島妙子(おおしま・たえこ)さんの絵をそえて、福音館書店から出版された「オニのサラリーマン」のシリーズです。
文章の富安陽子さんは、1959年生まれの児童文学作家。
代表作は「ムジナ探偵局」シリーズ。
「シノダ!」シリーズ。
「小さなスズナ姫」シリーズ。
「内科オバケ科ホオズキ医院」シリーズ。
など、いろいろあります。
絵の大島妙子さんは、富安さんと同じ1959年生まれ。富安さんとの共同著作は「オニのサラリーマン」シリーズ。
「やまんばあさん」シリーズがあります。
まず「オニのサラリーマン」シリーズの、第一作のあらすじを軽く紹介します。主人公の赤鬼・オニガワラさんは、じごくカンパニーの平社員。毎日愛妻弁当を持って、バスに乗ってじごくへ通勤。
「オニガワラ、おまえきょうは、なんのかかりや?」
「ちのいけじごくの、みはりやねん!」
「えぇなあ。らくちんやんか」
バスの車内でかわす、同僚のオニとの会話は、まったく平凡そのもので、オニガワラさんにとってじごくの仕事は、日常生活の一コマなのでしょう。ちのいけじごくで亡者を相手に、せっせと仕事をしていると、お昼の時間になって、オニガワラさんは愛妻弁当を食べます。すると満腹になったオニガワラさんは、ついウトウト居眠りしてしまいます。
オニガワラさんがハッ!と目を覚ますと、ちのいけじごくの亡者たちが、ごくらくから出ている糸にぶら下がって、じごくから逃げようとしているではありませんか。
これは大事件です!!!
と、ここまでが「オニのサラリーマン」シリーズ第一作の、あらすじです。だいたいの雰囲気はつかめましたか?
ここからは続編「オニのサラリーマン じごくの盆休み」の、あらすじを紹介します。
わし、オニでんねん。すんません。
じごくづとめの サラリーマン。
ことしも、お盆となりました。
じごくのかまの かまもあく
もうじゃは みなさん、さとがえり。
じごくにお盆の季節がやってきて、亡者の皆さんは、きゅうりの馬に乗ってお里に帰ります。でもこの里帰りがまた大騒動!
「おおい!きっちり ならんでいけよお!」
「じゅんばんやぞ!じゅんばん!」
「こらあ!きゅうりの馬、かじるな!」
「え?馬、たらん?
しゃあない。
にんじんでも さつまいもでも かまへん
とにかくあし くっつけとけ!」
「おおい!カボチャは あかんぞ!
だれや!カボチャの ばしゃ
のっとんのは?!」
ひと騒ぎありながら、亡者の皆さんがお里に帰った後、空っぽになったじごくでは、オニのみなさんが年に一度の、じごくの大掃除です!
「ねんに いちどの おおそうじ。こころを こめて、しっかりと。
すみから すみまで きっちりと!」
えんまさまの おことばです。
「へえーい。かしこまりました!」
えんまさまのお言葉で、じごくのオニたちの、マイペースな大掃除が始まります。この不思議な絵本「オニのサラリーマン」シリーズの物語は、富安さんがお正月にみた初夢を、元ネタにして作ったそうです。
じごくのオニといえば、本来怖いはずなのに、富安さんの絵本に出てくるオニたちは、コテコテの大阪弁をしゃべる、人間っぽくてユーモラスな存在に、感じられるのです。
そんなオニたちの、じごくのまったりライフは
「オニのサラリーマン」
「オニのサラリーマン しゅっちょうはつらいよ」
「オニのサラリーマン じごくの盆休み」
「オニのサラリーマン じごく・ごくらく運動会」
などの「オニのサラリーマン」シリーズで、楽しめます(*´ω`)
興味のある方は、シリーズ全編読んでください。