こちらのレビューは、一部ネタバレを含む可能性がございます。ご注意のうえ閲覧ください。
2022.12.02【第2巻】後半から絵はどんどんかわいくなってくるのに、よく考えるとだいぶ怖い展開になっている気も
良いと感じた点・楽しめた点
2巻は1巻に比べるとお色気要素が気持ち控えめになっていて、多少安心して読めたのがよかったです。私はこの作品では石川美加ちゃんがお気に入りなので、ヒロインの魔子ちゃんもそうですが、少年漫画なのに毎回いろんな私服やコスプレを見られておしゃれなのもいいと思います。たぶんいま(2020年代)同じファッションをしてもおかしくなさそうなものも多く残っていて、流行がちょうど繰り返されているタイミングだから、ということもあるとは思いますが、すごいなと思いました。三好晴海入道の格好して出てきたり、かわいいです。
話が進んでみると主要な登場人物が揃ってきますが、自分は女の子のキャラクターはよく覚えているのに、主人公を含め男性陣のキャラクターの記憶がごっそり消えていることに気がついておもしろかったです。とくに「風間小太郎」「服部優一郎」とかまったく覚えていなくて、「だ……誰?」「こんな子、いたっけ……」「まったくおぼえてない……」と思いながら読んでました。彼らはマンガを読み終わっても、アニメ誌のカラーページを見ても、けっきょく思い出せずじまいだったので、イケメンキャラはすべて記憶から抹消されているようでした。女の子は覚えているということはこの時期は見ていたはずなので、見ていなかったのではなく、見たけど記憶から消えたのだと思います。この作品以外、この著者以外の作品でもこの現象はあったので、たぶんも私が元々そういう傾向なのだと思います。
また、このコミックスの表紙は毎回魔子ちゃんの髪の色がぜんぜん違っていて、楽しいです。漫画を読んだ後で、当時のアニメ誌も集めてみたことがあるのですが、アニメの放送が始まるわりと直前まで魔子ちゃんのカラーリングが決まらなかったようで、いろいろなカラーの魔子ちゃんが載っていて、意外でした。
それと、元々かわいらしい作風だとは思うのですが、1巻から劇画っぽいところがあったのが2巻の後半からは急にさらにかわいい路線に入ってきていいと思いました。
悪いと感じた点・疑問に感じたことなど
とくにないのですが、表紙のカラーの処理を見ると現代の作品はどれも格段にものすごく良くなっているので、素人としてパッと見ただけでも「なにこれ!?」と思うようなところがあります。カラートーンを貼っているのか、アニメセルなのかわかりませんが、カバー内側で顔と髪と背景のバラの花の部分だけ単色で塗りつぶしてあって、あとは白いままの線画で、背景もビミョーなグリーンに蛍光オレンジのロゴとかで目がチカチカするし、裏表紙の塗りつぶしも向かって左の白目は塗りつぶされていないのに右の白目は塗りつぶされていて、口の中も肌色で塗りつぶされていて、どう見ても素人による処理だったので、「どうしてこのデザインになったんだろう……」と考え込んでしまいました。カバーを外すと着色されてない状態のイラストが同じように配置されているのですが、変に着色してない方がよっぽどよく見えるので、複雑な気持ちになりました。でもこれ最終巻までずっとこのパターンなんですよね。現代の技術で処理してほしいです。
総評・全体的な感想
この漫画を読んだのは2021年だったので、1年ぶりぐらいに再読してこれを書いていますが、私にとって「服部優一郎」のキャラの印象が薄かったので2巻の後半からほぼずっとレギュラーで登場しているのに「え? こんなに早い段階でこんなにいろいろな話に出ていたっけ??」と驚く気持ちがありました。一部の話にちょこっと出てきただけだったような印象だったので、自分の中で短期間で記憶が改ざんされているのを発見してビックリしました。個人的に「石川美加ちゃんに活躍してほしい」と思っているせいだと思います。人気があったのかわかりませんが、主人公とずっといろいろ会話をしているのにぜんぜん話がかみ合ってなくて怖いし、物語展開上も主人公の脅威となるポジションにきて、それまでのわりあいほのぼのとした緩い日常を脅かしてくるし、本人はただ必死にまじめに生きているだけでそのつもりはまったくないのも怖いし、見た目はかわいいし、作中でもまったくそういう扱いはされていないのに、いまで言うサイコパスな存在で、ふつうに怖いと思いました。