こちらのレビューは、一部ネタバレを含む可能性がございます。ご注意のうえ閲覧ください。
2022.12.01【第3巻】急に一話完結のような構成になってびっくり
良いと感じた点・楽しめた点
※私の手元にあるのは講談社漫画文庫版です。
3巻は、話の構成が「人間の歴史とそれに関わってきたデーモン」という各話構成に切り替わり、それまでと雰囲気が変わっていて、えっ、えっ、とついてくるのが大変な内容になっていました。
絵も粗削りだったのがだいぶきれいになってきて主人公たちがすっかり美少年になっていて「えっ!」「えっ!」と思っているうちにいろいろな時代を飛び越えては、歴史上の人物たちと交流したり、いっしょに生活したりして置いてかれそうになります。あと1巻では高校生らしい小生意気さとかあどけなさとかかわいらしさがいっぱいだったのに、3巻になるとすっかり大人というか青年に近い描かれ方になっていて、もうぜんぜん高校生には見えない大人っぽさになっていて、作風の変遷が早い! と感じます。
個人的には蜘蛛が高校生たちに取り憑いて中身もすっかり乗っ取られてしまう「闇の蜘蛛」がすきです。蜘蛛も丸くてふさふさしているし、個性が豊かすぎる不良たちも冬服になった美樹ちゃんもかわいいです。
悪いと感じた点・疑問に感じたことなど
3巻は表紙からすでに飛鳥了くんの雰囲気がガラッと変わってて一瞬「ん??」「え、誰???」となるのが複雑です。3巻ではずっと主人公と行動も生活も共にしているせいか、すごい目もきらきらしていて活き活きとしているのが印象的です。1巻で不動明が1か月ぶりに飛鳥了に再会したときに「雰囲気が変わった」というようなことを言っていましたが、元は3巻のときのような性格だったのかな、と思いました。だとしたらたしかに1巻のときとはだいぶ違いますね。でも私は1巻のほうが好きです。
総評・全体的な感想
タイムスリップからの一話完結形式にとつぜん移行してとまどった3巻でしたが、最後のほうでは現代に戻ってきたのか高校生活が久々に描かれていてほっとしました。でもよく見ると飛鳥了はそれでも学校には顔を出さないんだなと思いました。ん? 転校したんでしたっけ? あ、確認すると1巻で主人公が親だけ仕事の関係で海外に行ったので、牧村家の居候になって転校した、と書かれてますね。ということはこのときは飛鳥は元の学校に通っていたのでしょうかね。行ってない気がしますね……。
名セリフ
明く~~~ん 助けて― 明く~~~~~~~~ん
蜘蛛に取り憑かれた部員たちに襲われて助けを求めて泣きながら必死に主人公に助けを求めているけど両手ではカバンをぶん回してなぎ倒している美樹ちゃんのシーン。かわいい