こちらのレビューは、一部ネタバレを含む可能性がございます。ご注意のうえ閲覧ください。
2022.11.29なんでこれ買った? でもときどき読んでしまう謎の本
良いと感じた点・楽しめた点
この本は、なんで買ったんでしょうね。でも14歳ぐらいの頃に買ったのは覚えているんです。当時住んでいた町の書店に並んでいて、そう、こんな異様な雰囲気の本なのに取り寄せでもなくて、ふつうの町の書店にしれっと並んでいたので子どもの好奇心丸出しで「なんだこれー!」と思って親に買ってもらったと思います。
内容は「辞典」というタイトルの通りちいさな項目に区切られていて、たまに小さな挿絵が入っていて、いろいろな地獄の悪魔や、いろいろな地域の妖怪が紹介されている本です。神話や伝承や中世の迷信や狂気やスキャンダルについても収録されていて、ちまちま読むとけっこう面白いです。それから、当時はRPGゲームなどをよく遊んでいたので、いろいろなゲームに出てくるモンスターなどの元ネタとなったであろう神話や妖精や悪魔の話や絵が見られるので、「ああ、これ知ってる!」「ぜんぜんゲームとデザインが違う!」などとおもしろがって読んでいました。日本の悪魔や風習の話なども収録されていて、少し不思議な気もしました。
この本は、なにかの役に立っているかというとぜんぜん立ってなくて、ただただ暇つぶしの書になっていて本棚にあるのをみつけられるのが唯一恥ずかしい本です。でもなぜか捨てられないんですよね……。年末の大掃除のときとかにうっかり開いて時間を溶かしたりしています。
悪いと感じた点・疑問に感じたことなど
かなり繊細なペン画がたくさん収録されているのですが、小さく区切られた項目の中に縮小して押し込まれているので、かすれていてよく見えなかったりする部分でしょうか。悪魔とかはすごく書き込まれているのでもったいないと思いました。
それから元は中世の本なので、現代の視点から見ると、ちょっと、それはまずいのでは? と思うようなものもややありました。そういうものも込みで歴史的な資料なのだと思いますが。たとえば「悪魔憑き」の実例など、一部は「それは虐待に晒されている人のPTSDやパニックの症状なのでは……」と思うようなものもあって、この本の内容が当時どのような位置づけで受け止められていたのかはわかりませんが、少しだけ心配になりました。
総評・全体的な感想
家が狭いので本があまり置けないのに、いまだにこの本を保管していることに気がついて、今回「いよいよ捨てるか?」と思いましたが、まだ何か捨てられない気がしています。不思議な本です。気に入っている方にはごめんなさい……。