素人の入門用には難しめ

内容はどちらかというと実務者向けに網羅されたしっかりめの構成でした。専門用語、法律用語も素人の私から見ると次々出てくるので、熟語の羅列がドーっと流れてくるたびに文を追う目の動きのスピードが最徐行になって、慣れない身にはついていくのがやや大変でしたが、何度も読みこんでいくと基礎的で網羅的な知識が得られるのかな……という気がしました。

また、詳しいところは置いといても判例がたくさんわかりやすい形で掲載されているので、実際にどんなケースで裁判になって、どんな結果になっているか、どう解釈されているか、などもざっくりわかって便利だと思います。

日本語がなんかおかしかったような気がしました……。このシリーズは何度も改訂しているようで本を検索するとたくさん出てくるのですが、すごく忙しい中でバタバタと作って改訂を繰り返しているのか、通読して1冊の中に2～3個だったら気にならないのですが、「え？」「ん？？」と思うようなところがけっこうあったので気になってしまいました。

変かなと思ったのはいろんなパターンがあって、数行の短い段落の中で開始と終了が噛み合ってないとか、同じものを指しているはずの単語が変わっていたりなど、単純なチェック不足が感じられるものだと思います。P95あたりで「ゲジC（トランプの最低カードのこと）」と書かれている箇所が出てくるのですが、次のページでは「ゲジC」と書かれている箇所と「ゲジ2」と書かれている箇所が混在しており、「えっ、これは別のもの？　うーん、文脈的にたぶん同じものなのかな……」と戸惑う、というシーンが何度かありました。私は「ゲジC」という単語を知らないので、どちらの表記が正しいのか、あるいはどちらも同じ意味の単語なのか、いまだにわかりません。

ちゃんとチェックして単純なミスなどを直す時間がとれてないのかな？　という気がする部分が多々ある本のように思われたので、そういうところもぜんぶ分かっていて単純に間違えているところとそうでない部分を選り分けながら読める詳しい方以外には、あまりお勧めはできない内容かな、と思いました。同じテーマの本にもいろいろあるなあ、ということはわかったので、そういう意味では参考になりました。