つけびの村  噂が5人を殺したのか?
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貼り紙よりも壁の絵よりもお手紙が気になる一冊

4.0 46
  • 総合: 4.0点
  • わかりやすさ: 3.5点
  • 文章力: 4.5点
  • ストーリー: 3.5点
  • キャラクター: 5.0点
  • 世界観: 3.0点
  • 演出: 3.0点

良いと感じた点・楽しめた点

実際の事件を取材したライターによるドキュメンタリーとのことです。インターネットで現場のGoogleストリートビューを見ると意味深で不穏な貼り紙が見られるというので一時騒ぎになっていた記憶で、私にしては珍しく note の有料記事を購入して、その後発売された本書も購入してました。ふだんそこまでしないのですが、ふたを開けてみると貼り紙には直接的な意味はなかったとのことでしたが、その後も何度も現場に足を運んで根気強く取材して書かれた内容だったので、最後まで読めました。

いちばん気になったのは、わたしはそれまで著者の活動を知りませんでしたが、それまでもいろいろな裁判を傍聴したり、受刑者と面談や文通をしたりしてきたのだそうで、お手紙を出してどのような返信や差し入れの要求があったかとか、変身の内容からの精神状態の変遷などがしっかり書かれていてずっと飽きずに読むことができました。また、椎茸をくださった方などとの交流も記録されていたり、事件のあった地域の過去のことも文献などをよく調べられていて、すごく根気強い情報収集と、広い範囲の勉強が必要な仕事なのだと知りました。

悪いと感じた点・疑問に感じたことなど

住民の人口減と超高齢化がどんどん進んでいて取材が難航している面が多々あり、その後のレポートなども見てみると数年が経過しただけでも継続した取材が元々難しかった以前よりもさらに困難になっているという問題があるようで、どうにもならないもどかしさを感じました。

総評・全体的な感想

過去の事件ではなく最近の本なので、読んでいる間はずっと「覗き行為に近いことをしている」という気持ちがつきまとっていましたが、取材が進むにつれ、実際にはいじめがあった、なかった、などというよりは、高齢化による認知症やそこから併発する病気などの避けられない要素が主な原因になっていることがわかってきて、それは誰にも関係のあることで、これからはさらに身近になっていく課題でもあるので、読み進めていくと徐々にそういった後ろめたい気持ちはなくなっていきました。また、この本で私は初めて受刑者との文通や差し入れといった活動の存在を知ったので、そちらのほうにも気を引かれました。

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