こちらのレビューは、一部ネタバレを含む可能性がございます。ご注意のうえ閲覧ください。
2022.11.29ヴェレゲジウスさんだけよく覚えています
良いと感じた点・楽しめた点
この本を最初に手に取ったのはだいぶ前で、どういった経緯でこの本を知ったのか忘れてしまったのですが、思ったよりも大人向けの深い内容の作品で、いい意味で驚きました。
私の浅い知識だと「ミヒャエル・エンデ=児童文学の人」という認識だったので、初回は前知識ゼロで読んでいたのですが、読みすすめてみると、子どもをおもな対象読者としているわけではない、ストレートに社会的な内容の物語であることに気がついて、驚きながら読んでいた記憶があります。と言っても、いま思えば「モモ」も、主人公は幼い女の子だけど、「灰色の男たち」は大人社会のイメージでした。
悪いと感じた点・疑問に感じたことなど
他の作品に比べると陰気なイメージがあるかもしれず、とっつきにくいかもしれません。出てくる登場人物たちも迫害されてボロボロになっていたり、見た目だけじゃなく精神的にも絶望から弱気な言動を繰り返していたりもするので、そういう雰囲気が気の毒でつらい、という方には読みにくいかもしれません。
総評・全体的な感想
この本は、過去にけっこうあいだを開けて2回読了しています。おそらく1回目の2回目のあいだは、5~6年空けていて、前回の読了はすでに3~4年前だった気がします。
エンデの本では「モモ」「はてしない物語」とか有名な本がたくさんあって、私はいままで読んだエンデの本の中では、この作品がいちばん好きです。
いま部屋が本だらけでカオスになってて、見失っているので確認できませんが、この作品では、私の記憶が正しければ「ヴェレゲジウス」というかなり年長の登場人物がでてきて、一人だけ正しいことを主張して迫害される人々を救おうとしているんだけども、本当のことを言ってしまったばっかりに権力者から消されてしまう、という役柄だった気がします。その人物の印象がとても強くて、他のことは毎回だいたい忘れてしまうのですが、彼のことだけは覚えていて、自分の記憶の残り方というものはおもしろいなあ、と思ってます。
初回を読んだときはたぶん社会生活をして挫折してニートしていたときで、前回は忘れましたがけっこう前の印象なので、そろそろまた再読の時期かなという気がします。次回読むときには、迫害されている人々の気持ちなど、周辺の登場人物の心のうごきをもっと丁寧に追いながら読んでみたいと思います。